ぼくとかわいい君と【短編集】second (ページ1)

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めめなべページ1

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目黒はたぶん、俺のこと好きじゃない。いや、先輩としてはそこそこ尊敬とか信頼とかしてくれてるんだろうけど、人としては好いてくれているんだろうけど、恋愛感情は無いんだと思う。

俺と目黒は付き合ってるのに。

告白は俺から。目黒とはメンバーに加わる前から仲良くしていて、お気に入りの後輩だった。
優しくて頼りになるし、話していて楽で楽しかった。
俺が告白したら目黒は驚いたように大きく目を見開いて、口元を手で覆って、まじすか、と言った。

｢まじ…。ごめん、引いた、よな｣

いたたまれなくなって、言い逃げしようと目黒に背を向けたとき、手を掴まれた。掴んだのはもちろん目黒だ。
半分くらいは隠れているけど、目黒の顔はほんのり赤くなっていてそれを見た俺もつられたように顔が熱くなった。

｢俺も、翔太くんのこと好き。俺と、付き合ってください｣
｢…まじ…？｣
｢うん。まじ｣

そんな感じで俺と目黒の交際はスタートした。
メンバーも報告すると、全員がおめでとう、と歓迎してくれた。本当に嬉しかった。

｢翔太のこと泣かせたら許さないからね｣
｢そーそー、俺ら黙ってないよ？｣
｢泣かせたりしませんよ、絶対｣

そんな会話を目黒はしていた。俺ってちゃんと大事にされてんだなぁって思った。

最初の方は上手くいっていた。俺らの幸せも絶頂期だったから、時間を見つけては会いに行って、デートして、恋人らしいふれあいだってした。すごく、幸せだった。満たされていた。

交際スタートから数ヶ月が経って、ふと、考えた。

あれ、俺、目黒に本当に愛されてんのかな。

しばらく目黒と会えない日が続いていた。お互いスケジュールが合わなくて、特に目黒はスケジュールが詰まってて、連絡しても返信が翌日だったり、短かったり、素っ気ない。
仕方ないことだと分かっていたし、俺も割り切っていたつもりだった。でも、そういう時に限って、不安は降ってくる。

目黒は俺に好きと言わない。

告白したときは好きだと返してくれた。でもそれ以来、言われていない。そんなしょっちゅう口にする言葉ではないんだろうけど、もう少し言ってくれてもいいと思う。
俺が好き、と言っても、目黒は俺も、と短く返すだけだ。柔和な笑みを浮かべているし、その気持ちを疑ったことはなかった。でも、本当に、そう思ってる…？