ぼくとかわいい君と【短編集】second (ページ16)

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やっぱりそこ気にすんのかよ。ここまで来たら言うしかない。俺に逃げ場は無いし、何より俺が、早く佐久間に抱かれたいから。

「…佐久間は女の子の方が好きかなって」
「ん？」
「だから、女の子みたいに可愛くしたら、佐久間がもっと俺のこと好きになってくれるかなって、思って」

口下手な俺だから、佐久間を不安にさせることはきっとたくさんある。それでも佐久間は俺を嫌いになったりなんかしないで、俺にたくさん愛情をくれる。それが、いつか無くなってしまうのがひどく恐ろしかった。だからもっと、佐久間に俺のことを好きになってほしかった。

「翔太、もしかして俺が二次元の女の子好きなの気にしてる…？」
「……」

無言を肯定と取った佐久間は、何を思ったかスル、と俺のお尻を撫でる。ゾクッと体が震えた。

「な、何すんだよ…！」
「だって翔太がばかなこと考えてるからさぁ」

ばかなことってなんだ…!?

「俺は真剣に悩んでんのに」

ムッとするのを隠さず佐久間を見るが、佐久間は相変わらず飄々とした様子だった。

「俺も最近気づいたんだけどさぁ、翔太は何とも比較できないし、何にも換えられないんだよね」

佐久間の手が優しく俺の頬を滑った。

「だから翔太もさ、何かと自分を比較して、自分のこと卑下しないでよ。俺は、そのままの翔太が好き。それを否定されたら悲しい」
「佐久間…」

佐久間がそんな風に考えてくれていたなんて知らなかった。佐久間はめちゃくちゃ俺のこと大事にしてくれていた。それなのに俺は誰かと比べてばっかりで、結局自分のことしか考えられていなかったんだ。

「ごめん、佐久間」
「うんん、いーよ。だってこんな可愛い翔太の格好見られたし」

ニヤリとしたり顔を浮かべる佐久間に俺の顔は熱くなった。

「翔太、愛してる」
「……俺も、佐久間のこと愛してる」