ぼくとかわいい君と【短編集】second (ページ19)

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だてなべ（めめなべ）ページ19

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キリッとした眉。綺麗に通った鼻筋。ぷっくりとした唇。肉付きのいい体。王様みたいにいい気品。そのくせ笑うと子供っぽいあどけなさがある。

俺の幼なじみって完璧だと思う。アイドルになるべくしてなったのかなって。

「翔太くん、また舘さんのこと見てる」

クスッと笑ってそう言ったのは俺の向かいに座る目黒だ。幼なじみ＿＿涼太をほぼ無意識に見ていた俺はそれに気づいて羞恥心から「見てねぇし」なんて意味もなく強がってしまう。

「本当に翔太くんって舘さんのこと好きだよね」

俺は目黒の言葉に否定も肯定もせず、ただふくれっ面を浮かべた。ほっぺたが熱くなってるような気がする。

俺は同じグループの幼なじみに恋をしている。きっかけもいつから好きなのかも分からない。でも気づいたらずっと涼太を目で追っていた。涼太が笑うとキュウッと胸が苦しくなって心臓がバクバクうるさい。それで俺は涼太に恋してるって気づいた。
俺が涼太に向ける視線はなかなかに熱烈らしく、目黒にはすぐに気持ちがバレてしまった。メンバー同士、男同士で恋してるなんて知って引かれるかなって不安だったけど、目黒はそんな反応は全くしなかった。

「なんか相談したいこととかあったら遠慮なく言ってね」

優しくそう言った目黒は、ずっと俺の味方でいてくれている。くだらない相談も、涼太にドキドキした話も、ちゃんと最後まで聞いてくれる。つくづくいいメンバーに恵まれたなぁって思った。

涼太は康二やふっかと談笑していて、その時は王様感はあんまりない。爽やか青年って感じ。
いいなぁって二人を羨んだ。元々付き合いの長い俺と涼太は二人きりになってもめちゃくちゃ話すってわけでもない。俺は涼太を前にすると上手く喋れなくなるし。だから、あんな風に自然に、楽しそうに涼太と話せる二人が羨ましかった。
康二なんか最近涼太とセットで扱われることも多いし、涼太も康二のことは特別に思ってるみたいでちょっと嫉妬してしまう。

「涼太、康二のこと好きなんかな…」

ボソッと漏れた俺の不安に目黒は優しく言った。

「確かに康二とは最近仲いいみたいだけど、そういう気持ちは無いと思うよ？舘さんの中で一番の特別はしょっぴーだと思うな」
「それは、ないと思う」

そりゃあ立場は特別かもだけど、一番ってわけではないだろう。