ぼくとかわいい君と【短編集】second (ページ5)

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｢…翔太くんを前にするとね、俺、愛しさで胸がいっぱいになんの。
幸せで、一生この人を離したくないって思うの。

口を開くとそういうの全部言っちゃいそうで、それを聞かれて引かれるのが嫌で、ずっと、好きとか言えなくてごめん。ごめんね｣

そう、だったんだ…｡

｢翔太くんの涙を見たとき、何やってんだろうって思った。俺はこの人を幸せにしたいって、笑顔にしたいって思ってたのに、俺の羞恥心とかを優先して、苦しめて、最低だって思った。
それと同時に、俺にも、翔太くんが離れていくような恐怖心が湧いてきて、それが苦しくてたまらなかった｣

目黒の声が震える。

｢さっき、俺ばっかり好きでくるしいって言ったよね。

…そんなことないよ。俺めちゃくちゃ重いの。

翔太くんに触るのはたとえメンバーだとしても許せないし、本当は家に閉じ込めて出したくない。ずっと俺だけの翔太くんでいてほしい。
今日だって、翔太くんが、俺じゃない、別の人を選んだのが悔しくて嫌で仕方なかった。…俺嫉妬ばっかりしてるんだよ。翔太くんのこと、好きで好きでたまらないんだよ｣

初めて吐露される目黒の本心に、俺は驚きが隠せなかった。目黒がそんな風に思っていてくれてたなんて想像もしてなかったし、今でもイマイチ信じ難い。
でも、震える目黒の肩と声を感じて、たぶん本心なんだろうなって思う。俺のことを想って、目黒もいっぱいいっぱい苦しんできたんだろうなって思う。

｢俺も、ごめん。目黒の話聞かないで勝手に突っ走ってた。
目黒のことも苦しめた。ごめんな｣
｢ううん。翔太くんを不安にさせた俺が悪いから｣

そっと目黒の背中に腕を回して抱きしめ返す。久しぶりに改めて目黒の体温を感じて、ほっこりとした、安心感に満たされる。

｢翔太くん。愛してる。世界で一番｣
｢うん。俺も、目黒のこと愛してるよ｣

＿＿

作者から。

なんとか続編これました。これからもよろしくお願いします！